大前光市さんに聞きました「パラリンピック閉会式」「バレエを始めた切っ掛け」 リオ・パラリンピック閉会式で世界を魅了したプロダンサー(後編)
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大前光市さんに聞きました「パラリンピック閉会式」「バレエを始めた切っ掛け」

エシカ: webマガジンの『ethica(エシカ)』と申します。
はじめに自己紹介を。グランドコンセプトは『Good for Me, Good for the world(私によくて、世界にイイ。)』読者は70%が女性で20代・30代が多いです。読者層を出身学部や学校でいうと、2つの特徴が有りまして分り易いのですが、『美大生や芸大生』、『グローバルな大学』の出身者が比較的多くて、そういった学校の卒業生、帰国子女の方、留学や海外経験のある社会人の方が多いです。

最近、私も『幸せか?不幸せか?』は、要は心の持ち様だと、つねづね考える事が多くなったのですが、大前さんが全国を講演して伝えられているテーマ『長所を宝物に変える』つまり自分の得意な事、自分の土俵、自分の長所で、自分の幸せ基準で人に喜んで貰う。という考え方は、まさに、『ethica(エシカ)』のコンセプトに合致していると感じました。さらに、大前さんは大阪芸術大学のご出身で、プロダンサーという表現者でいらっしゃいますので、エシカの読者の感性にも近いのでは?と思いまして、是非エシカで、ご紹介したいと思いました。

大前: それは嬉しいですね。ありがとうございます。よろしくお願いします!

エシカ: はじめに、エシカの読者に向けて、初登場されたwebマガジン『ethica(エシカ)』の印象についてお聞かせ頂けますか?

大前: インタビュー記事をいくつか拝見させていただきました。インタビューを受けている方々の個性がとても強いと思ったのが第一印象です。例えば、噺家の柳亭市弥さんのインタビューですね。柳亭さんは「お客さんに心の底から笑ってほしい」という強い意志を持っていたと思いますが、世の中を変えていく、といった意思がある人が多いなと感じました。

エシカ: スマホやPCで読むメディアではありますが、特に20代の読者には、切っ掛けがインターネットでも、インターネット以外の事にいろいろ興味を持ってもらえる様な切っ掛け作り、つまり新たなライフスタイルの提案や、今回でいうとポジティブな視点の提案が出来たらいいな。と考えて日々編集をしています。

テレビ局のプロデューサーや製作会社の方など、メディア業界の方にもエシカをみて頂いていまして、ここ数年でエシカの取材にご協力を頂いた方の他メディアへの出演オファーが弊社に入る事も多くなってきました。エシカを切っ掛けに二次波及する事は、とても嬉しい事ですし、ソーシャルメディアのチカラも借りながら、ミニコミなエシカで着火して、マスコミに波及させる事が出来るような媒体に育てる事が、私ども夢でもあります。

大前さんも、小学校・中学校での講演の他、ブログなどのインターネットでの発信を精力的に行われておりますよね。また、最近ではパラリンピックの閉会式で注目を浴びていらっしゃいました。

大前さんもご出演されたセレモニー映像のご紹介から。

画面のYouTubeで見るをクリックしてNHKのチャンネルに遷移してご覧下さい。

エシカ: パラリンピックの閉会式についてお聞かせ頂けますでしょうか?

大前: パラリンピック閉会式の大舞台はすごく緊張しましたね。ステージから会場を見ると、まるで人の海のようで、その中に突然投げ出されたような感覚でしたね。普段の舞台と違って、人の顔が見えないところが大きな違いでした。普段の公演は人の顔が見え、どう感じているのかが何となく分かるのですが、今の自分の演技がどう映っているのか不安な面もありましたね。溺れそうになりながらも必死にボートを漕ぎ、何とか無事演技を終えることができてとても安堵したことを覚えています。

ハプニングもありまして…。リオに向かうドイツでのトランジットで、義足が壊れてしまったんですよ。乗り換えもあったので、膝立ちで移動したのが苦い思い出です。何とかたどり着けましたが…。

エシカ: バレエを始められた切っ掛けから、現在のプロ活動までについてお聞かせ頂けますか?

大前: 小さいころから「華やかな世界」にとても憧れを持っていました。その影響で高校時代から演劇を始め、劇団四季で演技することを目指していました。ここに入団するためには演劇だけでなく、ダンスや歌などが必要で、そのことがきっかけで大阪芸術大学に入学しバレエを本格的に始めました。現在では、Alphactという団体に所属しながら、バレエ教室での指導や公演などでプロとして活動しています。

エシカ: 大前さんが全国を講演して伝えられているテーマ『長所を宝物に変える』についてお聞かせ頂けますでしょか?

大前: 自分が障がいを持っていると、そこを短所と思いがちです。でもそれを「個性」として捉えると、そこに注目してくれる人が必ずいます。自分にとっては不本意だけれども、それを個性として受け入れる。そうすると短所を長所に変えられるんですね。そうした想いから「長所を宝物に変える」というテーマで講演を始めました。小学校や中学校などの生徒を中心に講演し、長所を見つけていく方法を話しました。人と同じことを追いかけるのではなく、できること、長所を伸ばしていくことをすることが大切だ、という想いを伝えています。

エシカ: 大前さんにとっての『私によくて、世界にイイ。』ことについてお聞かせ頂けますでしょうか?

大前: 世界にイイ、つまり世の中から必要とされる為には、自分が憧れているものではなく、自分が必要とされているものに注目することが大切です。不本意だけれども、片足で踊っている方が僕にふさわしいと考えています。何かを諦めきれずにやってきた訳ではなく、諦めたからこそ今の自分があります。自分が輝ける状態は、自分が好きな状態ではないかもしれないということを受け入れ、必要とされるものに目を向けることが、「私によくて、世界にイイ」ことだと考えています。

エシカ: 最後に2つお聞かせ下さい。今回のご取材は「Chacott×Tripure」イメージキャラクターに大前さんが選ばれたというニュースがご縁です。選ばれたご感想をお聞かせ頂けますでしょうか?

大前: これまで自身がやってきたことに共感いただけたというのは、大変うれしく思ってます。私はこのとおり、義足でダンスを踊ってますが、「可能性」という面においては自分の可能性を信じ続けてきた方の人間だと思います。「Chacott×Tripure」の世界観やコンセプトは、そんな私にとっても、非常に共感できるものでしたし、ぜひ多くの方にも、この着たときの、「お?」という不思議な感覚を味わってもらえればと思っています。

エシカ: エシカの読者に向けてメッセージをお願いします。

大前: 自分一人の力では、可能性は開けません。自分の現実をしっかりと受け止め、周りの人の協力を得ながら自分の可能性を広げていってくれればと思います。

(前編)義足のダンサー、大前光市さんが教えてくれること。「障害を個性にする」

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ethica編集部 :ミミ

東京生まれ東京育ちのアラサーです。多摩美術大学卒業後、ディレクター業・イラストレーター業に従事。2016年よりethica編集部に参加。アート、旅、グルメ、ファッションのほか、歴史や教育などの社会的な出来事に関心があります。好きな街は青山とソウル。アメリカと中国に在住経験あり。現代人が輝けるライフスタイルを重視した記事を発信します!

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)〜
http://www.ethica.jp

ミミ

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