先日、東京・中野のキリン中野本社で持続可能な環境問題についての中高生向けワークショップ「キリン・スクール・チャレンジ」が開催され、中学1年生から高校2年生までの男女生徒25人が参加しました。
これは、こども国連環境会議推進協会(JUNEC)とキリン株式会社がレイン・フォレスト・アライランスと連携し、中高生が主役になって世界のさまざまな課題を考え、課題解決に向けて挑戦しようというプログラムです。当日の模様を取材しました。
先日、東京・中野のキリン中野本社で持続可能な環境問題についての中高生向けワークショップ「キリン・スクール・チャレンジ」が開催され、中学1年生から高校2年生までの男女生徒25人が参加しました。
これは、こども国連環境会議推進協会(JUNEC)とキリン株式会社がレイン・フォレスト・アライランスと連携し、中高生が主役になって世界のさまざまな課題を考え、課題解決に向けて挑戦しようというプログラムです。当日の模様を取材しました。
こども国連 事務局スタッフ 岩村湧香さん
この日のワークショップは「つながっている、私たちと世界」がテーマとなりました。ここでは中高生に人気でなじみの深いキリンの商品「午後の紅茶」が取り上げられ、その原材料である紅茶葉の産地スリランカの農園で取り組まれている「持続可能な農園づくり」について、レイン・フォレスト・アライランスとキリンから講義形式で学びました。
そして、講義を通じて見つけた驚きや発見から現在直面している問題を中高生自身の視点で読み取り、それを同世代に向けて発信するポスターを制作して発表するというのが、この日の目的でした。
参加した中高生たちは学校でポスターやパンフレットを見たり、友人や知人の紹介でこのワークショップのことを知ったそうです。もともと、こうした環境問題に関心の高い生徒たちだけあって誰もが熱心に取り組み、終了後には「ほかの人に自分自身の意見を的確に伝えることの難しさがよく分かりました。今日の経験をこれからの勉強に活かしていきたいと思います」「いつも何気なく飲んでいる『午後の紅茶』に地球環境の問題が関わっていることを知って驚きました。これからはそれを意識しながら飲みます」といった感想を口にしていました。
こども国連 サポーター 飯田貴也さん
ワークショップの主催者である、こども国連環境会議推進協会は2001年から活動している団体です。当初は環境教育をメインに行っていましたが、2005年から「持続可能な開発のための教育(ESD)」をテーマに、主に中高生・大学生を対象に、さまざまな事業に取り組んでいます。
こども国連環境会議事務局長 井澤友郭さん Photo=Kentaro Ohtani (TRANSMEDIA)
事務局長の井澤友郭さんは
私たちの活動に参加する中高生の子どもたちの殆どは、やがて社会に出て、企業などの組織で働くようになります。自然を汚している企業は全て悪だ、企業の営利活動は良くない、という一面的な否定ではなく、企業活動をきちんと理解し、ジレンマを体験した上で、 持続可能性を考えるべき ではないかそう思って2007年頃から企業との協働ワークショップを実施しています。
企業側のワークショップに対する関心もここ1、2年どんどん高くなっていますので、これからも子供たちの心に響くプログラムをやっていきたいですね」
今回、企業としてワークショップを主宰したキリン株式会社環境推進部は2013年に誕生したセクションです。それまではキリンビール、キリンビバレッジ、メルシャンの各社ごとに部署がありましたが、キリン株式会社の設立とともに統一され、環境への取り組みを担当しています。
キリン株式会社環境推進部 藤原啓一郎さん Photo=Kentaro Ohtani (TRANSMEDIA)
同部・藤原啓一郎さんは
「もちろん今までキリンビールとして、さまざまな環境活動を行ってきました。しかし、アルコールをメインに扱っている会社ということもあって、20歳前、特に中高校生へのアプローチにはどうしても躊躇してしまっていたんですね。2013年にキリン社になって、どうにかしなくてはいけないと思っていたところ、たまたま、こども国連さんからアプローチがあり、一緒に活動しようということになりました。
2014年の3月にまず第1回のワークショップを開催し、スリランカの支援になるようなキャンペーンを考えるというワークショップを行いました。それを通じて単に私たちの取り組みを知ってもらうだけではなく、子供たちからのいろいろな考えを知ることができ、それが私たちにとってとても重要な情報になっています。これからもお互いに意見交換のできる双方向のワークショップをやっていきたいですね。今回の成果を踏まえて、今後も引き続いて行っていく予定です」
こども国連 事務局スタッフ 和田恵さん
こども国連環境会議推進協会では愛知県豊田市と連携しての「とよたこども国連環境会議」を1月10日から12日まで2泊3日の日程で開催、人と未来がさまざまな方法で融合する将来を参加者全員で考えました。今後も、こうしたイベントを積極に行っていきたいと井澤さんは言います。
「将来はプロジェクトベースの事業をもっと増やしていきたいと思っています。今、中学、高校の学校教育の現場では何か課題に向けてチームで解決するような授業の場が圧倒的に少ないのです。そういう学びの場を私たちが学校以外で増やしていきたい。
今はまだイベントで終わってしまっていますが、やったことを誰かが評価するのではなく、自分たちで評価することが大事なのです。それを継続してやっていけるような形を作りたいですね」
こども国連 サポーター 井手理歩さん
■こども国連環境会議推進協会
http://junec.gr.jp
■レインフォレスト・アライアンス
http://www.rainforest-alliance.org/ja
■キリンホールディングス株式会社 地球環境との共生に関する対話
http://www.kirinholdings.co.jp/csv/env/stakeholder/conversation.html
インタビュアー 清水 一利(しみずかずとし)
55年千葉県市川市生まれ。明治大学文学部(史学地理学科日本史専攻)を卒業後、79年、株式会社電通PRセンター(現・株式会社電通パブリックリレーションズ)に入社。クライアント各社のパブリシティ業務、PRイベントの企画・運営などに携わる。86年、同社退社後、87年、編集プロダクション・フリークスを主宰。新聞、雑誌(週刊誌・月刊誌)およびPR誌・一般書籍の企画・取材・執筆活動に従事。12年「フラガール3.11~つながる絆」(講談社)、13年「SOS!500人を救え~3.11石巻市立病院の5日間」(三一書房)を刊行。
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