縄文時代の子育てはみんなで?【土偶女子・譽田亜紀子さん 徹底取材⑤】
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縄文時代の子育てはみんなで?【土偶女子・譽田亜紀子さん 徹底取材⑤】

妊婦の姿の土偶《縄文のヴィーナス》(国宝 長野・茅野市蔵(茅野市尖石縄文考古館保管) 展示期間:7/31-9/2)と祈りを捧げる(?)土偶《合掌土偶》(国宝 青森・八戸市蔵(八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館保管))

現在、上野の東京国立博物館にて「縄文—1万年の美の鼓動」展が開催されています。縄文時代の国宝6件すべてが初めて一堂に揃った同展は、先日、来場者20万人を突破。かつて岡本太郎が絶賛した躍動感あふれる縄文の造形表現は、最近では若い女性たちを魅了しているようです。

「土偶女子」として、縄文時代の魅力を様々な形で発信し続けている文筆家の譽田亜紀子(こんだあきこ)さんを、ethica編集部が取材しました。

【土偶女子・徹底取材企画】として全6回でお送りしていきます。

【徹底取材①】1万年前の日本のものづくりから受けた衝撃
【徹底取材②】子供も外国人も、誰もが楽しめる縄文
【徹底取材③】縄文人のライフスタイル
【徹底取材④】謎だらけの縄文人の世界観

頑張っている女性たちにエールを送りたい

ethica編集部: 譽田さんは、縄文時代と女性の親和性が高いとおっしゃっていましたが、『ときめく縄文図鑑』(山と渓谷社)を拝見して、女性の視点で縄文の遺物を眺めてみることは、実はとても重要なことなのでは、と思いました。

土偶の多くは女性を象ったものと言われていますが、特に妊娠している姿が多いんですね。「縄文」展の会場でも、母子のつながりが伝わるような出土品が多数展示されていました。作り手は女性だったのか、男性だったのか。縄文時代の育児ってどんなものだったと想像されますか?

譽田さん: 縄文時代、子供は誰の子ということでなく、「ムラの子」としてみんなで育てていたんじゃないかなって私は思うんです。子供は大切な社会の財産ですから、みんなで役割分担しながら、協同して子育てをしてたんじゃないかって。もちろん、血が濃くなることを防ぐために、誰と誰の子というのはちゃんと把握されていたと思うんですけれど。

ethica編集部: 今のような「夫婦」という考え方があったんでしょうか?

譽田さん: そこはよく考古学でも話題になるんですけれど、ステップファミリーみたいな感じだったんじゃないかなって話してます。比較的、狩猟民族に見られるケースですが、集落を存続させていくために、例えば未亡人になっても、その親族が次の夫になる、というような。

 

「カワイイ」や「面白い」といった観点から縄文遺物を紹介した『ときめく縄文図鑑』(山と溪谷社)。巻末には、体験スポットや現在販売されている縄文グッズなども紹介。

私自身は子供を授かることが出来なかったんですが、私のなかではずっと、縄文の文化を発信することで、仕事や子育てに悩む現代の女性たちを応援したい、という思いがあります。1万年前からずっと続いてきた、命をつないでいく営みの一端を担っているんだ、それってすごいことなんだよって。

縄文時代が1万年続いた中には、人が生きていく上で必然的に相互扶助の仕組みがあったのだと思うんです。現代の核家族化の中で、夫婦二人で仕事も家庭のこともやらなきゃって大変ですよね。「私が何もかもやらなきゃ」って、一人で抱え込まないでほしいんです。

(続く)

【徹底取材⑥】縄文人の「自由であろうとする心」に触れる

【展覧会情報】

特別展「縄文—1万年の美の鼓動」
会期:2018年7月3日(火)〜9月2日(日)
休館日:月曜日
時間:9:30〜17:00 金曜・土曜日は21:00まで。日曜日は18:00まで。入館は閉館の30分前まで
会場:東京国立博物館 平成館(東京都台東区上野公園13-9)
公式サイト:http://jomon-kodo.jp

譽田亜紀子(こんだあきこ)

文筆家。岐阜県生まれ。京都女子大学卒業。奈良県橿原市の観音寺本馬遺跡の土偶との出会いをきっかけに、各地の博物館、遺跡を訪ね歩き、土偶、そして縄文時代の研究を重ねている。現在は、テレビ、ラジオ、トークイベントなどを通して、土偶や縄文時代の魅力を発信する活動も行っている。著書に『はじめての土偶』(2014年)、『にっぽん全国土偶手帖』(2015年、ともに世界文化社)『ときめく縄文図鑑』(2016年、山と溪谷社)『土偶のリアル』(2017年、山川出版社)『知られざる縄文ライフ』(2017年、誠文堂新光社)『土偶界へようこそ』(2017年、山川出版社)。近著に『縄文のヒミツ』(2018年、小学館)『折る土偶ちゃん』(2018年、朝日出版社)がある。『中日新聞』『東京新聞』毎週水曜日夕刊にコラム「かわいい古代」連載中。

【イベント情報】

土偶女子 こんだあきこ 梅之木遺跡を語る(山梨県考古学協会 2018年地域大会)
日時:2018年9月23日(日) 13:30〜16:00
会場:山梨県庁防災新館1階 オープンスクエア(JR甲府駅南口より徒歩5分)
パネラー:こんだあきこ、佐野隆、櫛原功一、今福利恵
問合せ:山梨県考古学協会事務局 055-263-6441
https://sankoukyou1979.wordpress.com
主催:山梨県考古学協会、山梨県立考古博物館、山梨県立博物館、縄文王国山梨実行委員会
後援:北杜市教育委員会

記者:松崎 未來

東京藝術大学美術学部芸術学科卒。同大学で学芸員資格を取得。アダチ伝統木版技術保存財団で学芸員を経験。2011年より書評紙『図書新聞』月刊誌『美術手帖』(美術出版社)などのライティングを担当。2017月3月にethicaのライター公募に応募し、書類選考・面接を経て本採用となり、同年4月よりethica編集部のライターとして活動を開始。関心分野は、近世以降の日本美術と出版・印刷文化。

ーーBackstage from “ethica”ーー

「縄文展」の会場には、粘土に子供の手や足を押し当てて型をとったものも展示されていました。子供の成長の記録なのか、亡くなった子供の形見なのか、たまたま子供たちが遊んだものが遺ったのか。詳しいことはわかりませんが、親子の情愛は1万年前も今も変わらないと思いました。

【徹底取材①】1万年前の日本のものづくりから受けた衝撃
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【徹底取材④】謎だらけの縄文人の世界観

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松崎 未來

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