(第41話)「年末年始で疲れがちな胃腸を整えて1年のはじまりをスッキリと。”ゆるファスティング”のすすめ(前編)」キコの「暮らしの塩梅」
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(第41話)「年末年始で疲れがちな胃腸を整えて1年のはじまりをスッキリと。”ゆるファスティング”のすすめ(前編)」キコの「暮らしの塩梅」

「私によくて、世界にイイ。」が実現できる、エシカルな暮らしのカタチってなんだろう。仕事に家事に育児に……。日々生活を回すだけでも大変な私たちにとって、新しく行動を起こすのはエネルギーも時間も使うし、ハードルが高く感じてしまうもの。

でも日々の暮らしのなかで、少しでも”良い”につながることができたら?

当たり前の毎日のなかで、大切な家族も、世界も、そして私自身もほんのちょっぴり幸せになるような選択をしていけたらいいなと思うのです。

第40話では、消臭・防虫・芳香などの効果がある消臭スプレーとサシェの作り方・使い方をご紹介しました。work&study第1話となる今回は、生活が乱れがちな年末年始の体調を整えてくれるファスティングについてお話ししたいと思います。

新年こそファスティングで体のケアを

冬の一大イベントであるクリスマスを終えたと思ったら、すぐにお正月を迎える準備。なんだか慌ただしい時期ですね。

クリスマスに続き年末年始は、何かとご馳走を食べる機会が多いと思います。

 

いつもよりお酒を飲んだり、お肉や油をたっぷり使った食事をしたりと、知らず知らずのうちに胃腸をはじめ、体への負担が大きくなっていることも。内臓の疲れは、むくみや便秘、頭痛などさまざまな不調につながります。

 

そうなる前におすすめなのが、ファスティングで日頃頑張ってくれている体のケアをすること。

 

ファスティングとは、一定期間食事を摂らない”断食”のことで、そのデトックス効果は消化機能の回復だけでなく、お正月太りの解消や美容にも!

 

近年、雑誌やネットなどでも話題になることが多く、耳にする機会も増えていると思います。

ファスティングというと、一昔前は「断食道場」で口にするものは水のみと厳格に行うものでしたが、今は酵素ジュースや消化によい食事を取り入れたり、またやり方も、何日にも渡って続けるものから、1日1食のみ控えればよしとするものまで、さまざまなスタイルがあります。

 

ファスティングの期間は長いほど効果はアップしますが、準備期間や回復期間をどう過ごすかも重要で、それを怠ると体への負担が大きく、逆効果になってしまいます。安易に行うのは危険も伴うため、初めての方は3日以上の断食は専門家に相談する方が安心です。

 

そこで今回は、友人や家族、仕事関係の方とのお付き合いがある中でも気軽に取り入れやすい、ゆるファスティングの方法をお伝えします。

 

ゆるファスティングは、食べ過ぎた次の日の1食を控えたり、消化のよいものに置き換えるやり方で、完全に食事を断つファスティングより気軽に取り入れやすいのがポイント。

 

年末年始の胃腸の疲れをリセットし、新しい1年をスッキリと気持ちよく迎えるためのお手伝いができればと思います。

ファスティングの効果

一定期間何も食べずに過ごすことで、普段動かしっぱなしで疲れている内臓を休めることにつながるファスティング。

「万病を治せるのは断食だけ」という言葉があるほどデトックス効果が高く、さまざまな不調の改善につながります。

 

体の機能維持には「体内酵素」が大きく関わっています。

ざっくり分けると、食べたものを分解する「消化酵素」と、体にとって必要なものをつくったり不要なものを排除して、細胞の再生や修復を担う「代謝酵素」の2種類。

ファスティングは、消化酵素に偏りがちな体内酵素の働きを代謝酵素にまわし、体の機能の回復を高めることにつながります。

 

先にお伝えしたように、肌荒れ、便秘、むくみ、慢性的な疲労感、風邪の症状など、不調の原因の多くは、内臓や免疫機能の低下によるもの。ファスティングによって胃腸をしっかりと休ませてあげることで、免疫力がアップし、体全体の代謝機能も上がると言われています。

 

腸をしっかり休めるとお通じがよくなり、腸内環境が整うことで血液がサラサラになり美肌効果も期待できます。また血行がよくなると体の隅々まで栄養が行き渡り、肌のくすみも取れ、ニキビや肌荒れも改善していくことも。

さらに、摂取カロリーが抑えられるため、結果的にダイエットにもつながることもあります。

 

何より大切なのは体の感覚が変化していくこと。

・胃が正常な大きさに戻り、満腹感を感じやすくなる

・味覚や嗅覚が鋭くなり、素材の味を美味しいと感じられるようになる

・体が軽く、体を動かすことが心地よくなる

・不調が改善に向かい、気持ちも前向きになる

・眠気や疲れでぼーっとしていた時間が減り、頭の中がスッキリと記憶力も高まる

などといった変化が感じられたら、ファスティングが効いている証拠です。

 

定期的に行うことで、本来の体の声が聞こえるように。

「より体にとっていいもの」「本当に体に必要なもの」を自然と選べるような状態にリセットしていきたいですね。

ゆるファスティング、どうやってする?

私がファスティングと出会ったのは10代後半のころ。

その時大きな悩みだったアトピーに、薬以上の効果を発揮してくれたように感じます。アトピーが改善したことも大きく影響して、何事もネガティブに考えがちだった性格は前向きになり、フットワークも軽くなりました。

 

それをきっかけに、今でも不調を感じたときは、無理のない形でファスティングを取り入れています。

 

かつての日本のライフスタイルにハレとケがあったように、普段の食生活は野菜・穀物中心で腹八分目くらいが日本人の体に合っていますが、食の多様化によって糖質・タンパク質に偏り、さらにてついつい食べ過ぎがちになっている現代。

 

精製された小麦、乳製品、お肉は消化の負担も大きいので、日常的に口にしていると知らず知らずのうちに体にとって大きなストレスになっていることもあります。

栄養バランスが気になるかもしれませんが、3食きちんと摂っている方は日常的に胃腸を休めることをもっと意識しても大丈夫です。

ファスティングを終えたあとは、びっくりするくらい体が軽くスッキリしているかも!

取り入れやすいのは、1食を消化のいいものに置き換えたり、1食から2食を控える方法。

 

結婚する前は自分だけの食事なので思うように調整できていましたが、家族のご飯を作る必要があったり、職場で昼食が出るので控えることができなかったり、といった状況で3食を完全に控えることが難しいため、ライフスタイルに無理なく、ゆるやかに取り入れる方法を実践しています。

 

ゆるファスティングの前後1日分の食事は「まごわやさしい」(*)を意識して腹8分目以下に、アルコールやカフェインは控えておくことが、負担や反動を少なくするポイントです。

 

普段しっかり食べていたところから急に食事を抜いてしまうと、体はびっくりして「もっと食べなきゃ!」と食欲アップの信号を脳に送ります。

そうするとファスティング後にむくむく食欲が増加して結果前よりも食べてしまう、なんてことも。

 

そうならないためにも、ゆるファスティングは計画的に行ってくださいね。

ゆるやかに取り入れて、無理なく体の変化を楽しんで

今回はファスティングの基本的な知識と効果をお伝えしました。

本格的なファスティングにハードルの高さを感じる方も、ゆるファスティングならライフスタイルに無理なく取り入れることが可能です。

 

次回は実践編。ゆるファスティングをするのにおすすめなタイミングと、具体的な方法をお伝えしたいと思います。

 

年末年始で疲れた胃腸をしっかり休めて、心身すっきりと新たな1年を過ごせますように。

 

どうぞよいお年を!

 

(*)健康的な食生活を送るための和食の食材を表したことば。

「ま」=豆、「ご」=ごま、「わ」=わかめ、「や」=やさい、「さ」=さかな、「し」=しいたけ、「い」=いも

【連載】キコの「暮らしの塩梅」を読む>>>

季子(キコ)

一児の母親。高校生のころ「食べたもので体はできている」という言葉と出会い食生活を見直したことで、長い付き合いだったアトピーが大きく改善。その体験をきっかけに食を取り巻く問題へと関心が広がり、大学では環境社会学を専攻する。

産後一年間の育休を経て職場復帰。あわただしい日々のなかでも気軽に取り入れられる、私にとっても家族にとっても、地球にとっても無理のない「いい塩梅」な生き方を模索中。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

季子(キコ)

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