「倫理的に調達したコーヒーを提供する」スターバックスの考え方 ファッション×サスティナブルの学校「エシカルファッションカレッジ」開催(前編)
独自記事
このエントリーをはてなブックマークに追加
Instagram
24,968 view
「倫理的に調達したコーヒーを提供する」スターバックスの考え方

Coffee Passion ~人と人がつなぐスターバックスのコーヒーへの情熱~ スターバックス 田原象二郎さん

「コットンの日」であり、「世界フェアトレード・デー」でもある5月10日、1日だけの学校「エシカルファッションカレッジ」が世田谷区のIID世田谷ものづくり学校(旧池尻中学校跡地)で開催されました。

「ファッションに関わるみんなが幸せになるちょっといい未来」を提案

「エシカルファッションカレッジ」はデニムブランド「Lee」を手がけるリー・ジャパンと世界の子供たちを児童労働から守る国際協力NGO、特定非営利活動法人ACEが共催したイベントで、講義や講演、実習(ワークショップ)、ファッションショー、映画などのさまざまな授業を通じて「ファッションに関わるみんなが幸せになるちょっといい未来」を提案、作る人も着る人も誰もがハッピーになれるファッションを考えようというものです。

イベントは午前10時にスタート、ファッションジャーナリスト・生駒芳子さん、ピープル・ツリー代表のサフィア・ミニーさんなどの多彩なゲストによる授業が2004年3月に廃校となった中学校の教室を同時に利用して夕方6時まで行われましたが、開場前から列を作った多くの人たちでどの授業も定員をオーバーする盛況ぶり。

また、当日は多くのマスコミも取材に訪れ、エシカルファッションに対する人々の関心の高さがうかがえました。

Photo=Kentaro Ohtani (TRANSMEDIA)

「倫理的に調達したコーヒーを提供する」スターバックスの考え方

趣旨に賛同した多くの企業・団体が顔を揃えた中、イベントにはスターバックス コーヒー ジャパンも参加しました。

同社の原点は、厳選されたアラビカ種のコーヒーのみを使用したこだわりのコーヒーです。毎日おいしいコーヒーを楽しみに来るお客様との信頼は、同社のコーヒーに対する信念と情熱が支えています。その情熱はコーヒー生産地からはじまります。生産者をサポートし、利益を生産地に還元し、生産地と共に成長することで、多くのお客様においしいコーヒーを安定的に提供することを目指しています。

ルワンダ 完熟したコーヒーチェリー (C)渋谷敦志

同社で3人しかいないコーヒースペシャリストである田原象二郎さん

コーヒースペシャリストが語る、アフリカでの取り組み

イベントでスターバックスは「Coffee Passion~人と人がつなぐスターバックスのコーヒーへの情熱~」と題した講義を行い、コーヒーの木から1杯のカップに注がれるまでのコーヒージャーニーを、生産地での取り組みやそこに関わる人々の紹介を交えながら、同社のコーヒーへの思いや情熱を参加者に伝えました。

講義を担当した田原象二郎さんは2000年に入社、ストアマネージャーを経て2006年からは同社で3人しかいないコーヒースペシャリストとして、従業員のコーヒーに関する知識向上やお客様へ分かりやすくコーヒーの魅力を紹介するプログラム開発など、幅広く活躍されています。

講義では昨年6月、田原さんがコーヒーの世界3大生産地の一つであるアフリカのルワンダとブルンジを訪れ、同社が生産者の技術支援のために立ち上げたファーマーサポートセンターのスタッフがどのように生産者をサポートし、おいしいコーヒーを持続的に生産することに取り組んでいるかを実感してきた時の様子がレポートされました。

「ファーマーサポートセンターの支援により1本のコーヒーの木の収穫量が上がり、それによって生産者の人たちの収入が増え、スターバックスも高品質のコーヒーを継続的に買うことができるようになる。私たちが目指しているのはそうした仕組みですが、ルワンダでもブルンジでも、それが現実のものとなっていることを目の当たりにしてとても感動しました」(田原さん)

ブルンジ ンゴジの加工場 (C)渋谷敦志

ルワンダ ムササ加工場 (C)渋谷敦志

ルワンダ ムササ加工場の女性達 (C)渋谷敦志

スターバックスでは2013年までに95%のコーヒー豆を同社の倫理的な調達のガイドライン「C.A.F.E.(Coffee And Farmer Equity)プラクティス」やフェアトレード認証などに基づいて取引されたものとしており、2015年には100%を目指しているそうです。

「常に最高のコーヒーをお楽しみいただくために私たちが生産者の方たちと取り組んでいることについて店頭でお話する機会はなかなか取れないのが実情です。ですから、こういう機会はとても貴重だと思います。これからも1人でも多くの方に私たちの取り組みを知っていただきたいですね」(田原さん)

フェアトレード イタリアン ロースト

また、実習では「エシカルなコーヒーをおいしく楽しむミニセミナー」も開催。同社が独自に制定する社内試験に合格したバリスタのみに与えられる「ブラックエプロン」を着用したスタッフが、コーヒーの味わい方やおいしいコーヒーのいれ方を紹介。同社で販売しているフェアトレード認証コーヒーの「フェアトレード イタリアン ロースト」を参加者と一緒に抽出し、生産地から私たちのところに届けられるコーヒーのストーリーを楽しみながら学びました。

▼エシカルなコーヒーを楽しむミニセミナーの様子

エシカルなコーヒーを楽しむミニセミナーの様子

おいしいコーヒーのいれ方をデモンストレーション

今回の「エシカルファッションカレッジ」では、スターバックス以外にも多くの企業や団体が参加し、さまざまな講義や実習、視聴覚イベントが行われました。後編では、多彩な講義・実習についてご紹介します。レポート後編は、こちらhttp://www.ethica.jp/7612/

記者: 清水 一利(しみずかずとし) 55年千葉県市川市生まれ。明治大学文学部(史学地理学科日本史専攻)を卒業後、79年、株式会社電通PRセンター(現・株式会社電通パブリックリレーションズ)に入社。クライアント各社のパブリシティ業務、PRイベントの企画・運営などに携わる。86年、同社退社後、87年、編集プロダクション・フリークスを主宰。新聞、雑誌(週刊誌・月刊誌)およびPR誌・一般書籍の企画・取材・執筆活動に従事。12年「フラガール3.11~つながる絆」(講談社)、13年「SOS!500人を救え~3.11石巻市立病院の5日間」(三一書房)を刊行。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

清水 一利

このエントリーをはてなブックマークに追加
Instagram
[エシカ編集部 体験企画]環境や人権に配慮したエシカル素材で心地の良いナチュラルな香りと時間を実感「Care me(ケアミー)」のインバスグッズ
sponsored 【 2024/3/29 】 Health & Beauty
一日の終わりのバスタイムは、その日の自分をとびきり労って心とからだを回復させてあげたい愛おしい時間。そんなセルフケアの習慣にほんの少し、地球環境や自分以外の人にもちょっと良いアクションが取れたら、自分のことがもっと好きになれる気がしませんか? 今回ご紹介するのはエシカ編集部が前々から注目していた、エシカルな素材を使って...
【ethica Traveler】 連載企画Vol.6 宇賀なつみ (第5章)ゴールデン・ゲート・ブリッジ
独自記事 【 2024/3/27 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。 今回は、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブルな...
そろそろ知っておかなくちゃ! 水素のこと。森中絵美(川崎重工)×中村知弘(UCC)
sponsored 【 2024/3/26 】 Work & Study
2023年の記録的な猛暑に、地球温暖化を肌で感じた人も多いだろう。こうした気候変動を食い止めるために、今、社会は脱炭素への取り組みを強化している。その中で次世代エネルギーとして世界から注目を集めているのが「水素」だ。とはいえまだ「水素ってどんなもの?」という問いを持っている人も多い。2024年2月に開催された「サステナ...
【ethica Traveler】 連載企画Vol.5 宇賀なつみ (第4章)サンフランシスコ近代美術館
独自記事 【 2024/3/20 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。 本特集では、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブ...
【ethica Traveler】連載企画Vol.4 宇賀なつみ (第3章)アリス・ウォータースの哲学
独自記事 【 2024/2/28 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。  今回は、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブル...
【ethica Traveler】連載企画Vol.3 宇賀なつみ (第2章)W サンフランシスコ ホテル
独自記事 【 2024/2/14 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。 今回は、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブルな...
【ethica Traveler】連載企画Vol.2 宇賀なつみ (第1章)サンフランシスコ国際空港
独自記事 【 2024/1/31 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。 今回は、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブルな...
【ethica Traveler】連載企画Vol.1 宇賀なつみ サンフランシスコ編(序章)   
独自記事 【 2024/1/24 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。  今回は、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブル...
【Earth Day】フランス商工会議所で開催するイベントにてethica編集部が基調講演
イベント 【 2023/4/3 】 Work & Study
来たる4月22日は「アースデイ(地球の日)」地球環境を守る意思を込めた国際的な記念日です。1970年にアメリカで誕生したこの記念日は、当時アメリカ上院議員だったD・ネルソンの「環境の日が必要だ」という発言に呼応し、ひとりの学生が『地球の日』を作ろうと呼びかけたことがきっかけでした。代表や規則のないアースデイでは、国籍や...
トランスメディア方式による新しい物語~『サステナブルな旅へようこそ!――心と身体、肌をクリーンビューティーに整える』(序章)と(第1章)の見どころを紹介!~
独自記事 【 2023/8/17 】 Health & Beauty
エシカではメディアを横断(トランス)するトランスメディア方式を採用し、読者の方とより深くつながる体験を展開しています。今回は、「サステナブルな旅へようこそ!――心と身体、肌をクリーンビューティーに整える」の序章と第1章についてのあらすじと見どころをお届け!(記者:エシカちゃん)
トランスメディア方式による新しい物語~『サステナブルな旅へようこそ!――心と身体、肌をクリーンビューティーに整える』(第2章)と(第3章)の見どころを紹介!~
独自記事 【 2023/8/24 】 Health & Beauty
エシカではメディアを横断(トランス)するトランスメディア方式を採用し、読者の方とより深くつながる体験を展開中。さまざまなメディアから少しずつ情報を得、それをパズルのように組み合わせてひとつのストーリーを見出す、新しいメディア体験です。 今回は、前回に引き続き、「サステナブルな旅へようこそ!――心と身体、肌をクリーンビュ...
テーマは、ナチュラルモダン『自立した女性』に向けたインナーウェア デザイナー石山麻子さん
独自記事 【 2022/9/19 】 Fashion
株式会社ワコールが展開する、人にも自然にもやさしいを目指すインナーウェアライン「ナチュレクチュール」。オーガニックコットン100%のラインアップが注目を集め、肌あたりやシルエットの美しさが話題になっています。その期待に応える形で、今年9月に新作グループも加わりました。やさしさを突き詰めた製品は、どのような想いや経緯から...
幸せや喜びを感じながら生きること 国木田彩良
独自記事 【 2021/11/22 】 Fashion
ファッションの世界では「サステナブル」「エシカル」が重要なキーワードとして語られるようになった。とはいえ、その前提として、身にまとうものは優しい着心地にこだわりたい。ヨーロッパと日本にルーツを持ち、モデルとして活躍する国木田彩良さんに「やさしい世界を、身に着ける。」をテーマにお話を聞いた。
[連載企画]冨永愛 自分に、誰かに、世界にーー美しく生きる。 【Prologue】
独自記事 【 2021/3/1 】 Health & Beauty
20年以上、トップモデルとして活躍。究極の美の世界で生きてきた冨永愛さん。ランウェイを歩くその一瞬のために、美を磨き続けてきた。それは、外見だけではない。生き方、生き様をも投影する内側からの輝きがなければ、人々を魅了することはできない。「美しい人」冨永愛さんが語る、「“私(美容・健康)に良くて、世界(環境・社会)にイイ...
水原希子×大谷賢太郎(エシカ編集長)対談
独自記事 【 2020/12/7 】 Fashion
ファッションモデル、女優、さらには自らが立ち上げたブランド「OK」のデザイナーとさまざまなシーンで大活躍している水原希子さん。インスタグラムで国内上位のフォロワー数を誇る、女性にとって憧れの存在であるとともに、その動向から目が離せない存在でもあります。今回はその水原さんに「ethica」編集長・大谷賢太郎がインタビュー...
[連載企画]冨永愛 自分に、誰かに、世界にーー美しく生きる。 【chapter1-1】
独自記事 【 2021/3/29 】 Health & Beauty
ファッションデザイナーが描く世界を表現するモデルは、まさに時代を映し出す美の象徴だ。冨永愛さんは移り変わりの激しいファッション界で、20年以上にわたり唯一無二の存在感を放ち続ける。年齢とともに磨きがかかる美しさの理由、それは、日々のたゆまぬ努力。  美しいひとが語る「モデル」とは?
モデルのマリエが「好きなことを仕事にする」まで 【編集長対談・前編】
独自記事 【 2018/12/24 】 Fashion
昨年6月、自身のファッションブランドを起ち上げたモデル・タレントのマリエさん。新ブランド「PASCAL MARIE DESMARAIS(パスカルマリエデマレ、以下PMD)」のプレゼンテーションでは、環境に配慮し無駄を省いた、長く愛用できるプロダクトを提案していくと語りました。そして今年9月、ファッションとデザインの合同...
国木田彩良−It can be changed. 未来は変えられる【Prologue】
独自記事 【 2020/4/6 】 Fashion
匂い立つような気品と、どこか物憂げな表情……。近年ファッション誌を中心に、さまざまなメディアで多くの人を魅了しているクールビューティー、モデルの国木田彩良(くにきだ・さいら)さん。グラビアの中では一種近寄りがたい雰囲気を醸し出す彼女ですが、実際にお会いしてお話すると、とても気さくで、胸の内に熱いパッションを秘めた方だと...
東京マラソンと東レがつくる、新しい未来
独自記事 【 2022/5/2 】 Fashion
2022年3月6日(日)に開催された東京マラソン2021では、サステナブルな取り組みが展開されました。なかでも注目を集めたのが、東レ株式会社(以下、東レ)によるアップサイクルのプロジェクトです。東レのブランド「&+®」の試みとして、大会で使用されたペットボトルを2年後のボランティアウェアにアップサイクルするとい...

次の記事

心も体もしなやかになることが最大の社会貢献。ヨガ・ラバーズが集結。 オーガニックライフTOKYOレポートvol.4  【Veggy Lovers Talk 編】
大阪でURBAN RESEACH DOORSに行きました! Safia’s Fair Trade World Vol.7 ピープル・ツリー サフィア・ミニーさん

前の記事

スマホのホーム画面に追加すれば
いつでもethicaに簡単アクセスできます